昔は一枚一枚手書きで書いていた賞状も今ではプリンターで印刷するのがだいぶ一般的になってきました。
ただし「じゃあプリンターはあるので自分で作ってみよう」と思っても、プリンターの仕組みというものを知っておかないと大量の失敗作を目の前にに途方に暮れてしまうことになりかねません。
賞状を印刷しようとしたときにまず守らなくてはいけないのは「プリンター用の用紙」を使わなくてはいけないということです。
ただ、一口にプリンター用の用紙といっても一般に使われているプリンターには大別してレーザー方式とインクジェット方式のものがあり、それぞれで違った注意が必要になりますので、プリンターの印刷の仕組みの違いと、そこから注意しなくてはならないこと解説します。
レーザープリンターやコピー機を使った印刷の場合
これらのプリンターは感光性ドラムという円筒状の部分にレーザーなどで光を当てて帯電させた部分にトナーを付着させてそれを紙に写したあとで、ヒーター機能のあるローラーで定着させる方式で印刷します。
従ってちょっと高級な金粉がまぶしてあったり、装飾が施してあるような手書き用の表彰状用紙などを使うと、このヒーター部分でそれらが溶けて表彰状がぐちゃぐちゃになってしまったり、これらの溶けたものがプリンター内部に付着して紙詰まりや、プリンター自体を壊してしまうことがあります。
インクジェットプリンターで印刷する場合
インクジェットプリンターはレーザー方式のプリンターと違って、紙に対してインクを飛ばすプリントヘッドという部分は用紙に対して非接触です。また熱も使いませんので、賞状用の用紙の装飾などを溶かしてしまうといった心配はありません。
しかしながらインクジェットプリンターは熱などでインクの成分を定着させないかわりに紙の方にインクの色の成分を受け止める「受容層」と呼ばれるコーティングが必要になっています。
パソコンショップなどでプリンター用紙を買う時「インクジェット用紙」とわざわざ明記されているのはこのためです。その為、手書き用の表彰状用紙にインクジェットプリンターで印刷するとインクが紙に滲んでしまい綺麗な印刷ができません。
両方のプリンターで注意すること
更にプリンターの取り扱い説明書などをよく読むと、印刷に問題のある紙として「厚い紙やコシの強い紙は」といったことが書かれていることが見つけられると思います。
これは、こうした紙はペーパートレイにセットした用紙がプリンターの中で印刷される部分を通過して排出されるまでの紙送りの機構上の問題で、うまく紙送りされないで紙詰まりする可能性が高いからです。
インクジェットプリンターの場合は比較的この紙送りの機構が複雑ではないので使える紙の厚さに気を付けていれば良いのですが、コピー機タイプのものなどですと、これが複雑になっている場合が高いため一層の注意が必要です。
従いまして、賞状を印刷で製作しようとするときには
●印刷に使うプリンター(レーザー or インクジェット)に合わせた「プリンター用」の用紙を使う。
●プリンター側の使える紙の種類を確認して、厚紙などに対して例えば「手差しを使う」などの給紙口の指定があればそれに従う。
こうしたことを注意して頂けばきっと綺麗な賞状が作れるとおもいます。