筆耕というのは、毛筆で文字を書く仕事のことを言います。そしてそれを職業とする人のことは筆耕士と言います。

でも最近は、毛筆以外で文字を書く仕事もあり、これらも行う人が増えていることも確かです。

どのような場合に仕事になるかと言うと、賞状、表彰状、感謝状、卒業証書、目録、遺書、表札、式次第、垂れ幕、式辞、記章、熨斗、そして看板などとなります。

電卓の登場やIT社会となって、算盤の登場はごく限られた世界とか機会になっていますが、毛筆も、鉛筆・シャープペンシル・ボールペン・万年筆によって、活躍範囲が狭められるとされていました。

確かに狭まっていますが、日本人の生活になくてはならないものとして、まだまだ欠くことのできないものとなっています。

パソコンなどで、毛筆らしい表現をするのも、必要性の表れですが、そうなると印刷やパソコン文字よりも手書きにした方が、有難さとか相応しさは格段と上なので、これから先もなくなるということはなさそうです。

そこで、筆耕で仕事をするための知識や心構えになります。

まずは、毛筆で仕事をする人の区分の認識です。書家という職業がありますが、これは芸術の分野になります。書道の先生もどちらかと言うと芸術の分野ですが、子どもたち教える書道は、書の基本や心を教えるものであり、筆耕とは趣が異なります。

文字を書くのが好きとか、昔から毛筆を習っていたという人はある程度の素養があるので、筆耕で収入を得られる可能性があります。

ただ、この世界特有のこともあるので、毛筆を何に使うかをベースにした講座を受講するとか、先輩たちに教えを乞う必要はあります。

実用性という点では、宛名書きや表彰状などすべてのことに、ルールやマナーもあるので、これらのことについても学んで、自分のものとしておく必要もあります。

そして、どちらかと言うと芸術性よりも実用性が優先する世界ですが、そうは言いながらも、全体での文字配列や余白の活かし方など、芸術的なセンスが必要なところもあります。